最近何かと話題になっているニューヨーク州司法試験ですが、2016年7月からUniform Bar Examination(UBA/統一司法試験)となり、他の州と共通の試験となりました。
合格率が70%とか80%とか言われていますが、私が一番疑問に感じていたのが、再受験の方が合格率が下がるという点です。このことから推測できることは、普通に勉強すれば1度目で受かって当たり前、つまり簡単な試験ということでしょうか、、
ちなみに私はU.S.CPA(米国公認会計士)をイリノイ州で4回受験して(観光も兼ねてw)ようやく合格しました。Business Lawという科目があったので多少は米国の法律をかじったつもりです。
百聞は一見に如かずということで、得点の50%を占める択一試験(Multistate Bar Examination)の問題集のKindle版を購入しました。
なお、今回は(話題になっている)受験要件や、合格後の弁護士登録要件については割愛します。
まず、試験の概要を、本書と以下のBar Exam Information Guideをベースに説明します。
https://www.nybarexam.org/TheBar/NYBarExamInformationGuide.pdf
1.試験日:毎年2月と7月
2.試験科目
(1)50% (200点):Multistate Bar Exam(全州共通の4択式試験)200問/6時間(100問/3時間 X 2回)
(2)30% (120点):Multistate Essay Exam(全州共通のエッセイ試験)6問/90分
(3)20% (80点):Multistate Performance Test(全州共通の法律文書起案試験)2問/3時間
3.合格点:合計400点中266点(66.5%、ニューヨーク州の場合)
4.MBEの出題内容:Civil Procedure(民事訴訟)、Constitutional Law(憲法)、Contracts(契約), Criminal Law and Procedure(刑法と手続き), Evidence(証拠), Real Property(不動産), Torts(不法行為)
そして、以下がCriminal Lawから出題の和訳です。英語の原文を載せるのは著作権侵害で訴えられるといけないので止めましたw
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ある女性が、彼女に辿り着くことがない方法で彼女の隣人を殺すことを条件に、男性に10,000ドルを支払うことを約束した。
彼は銃を購入し、隣人の家を見張って撃つ機会を探した。
ある晩、男の存在に気づいていない隣人は、家に向かって歩いているときにつまずき、転んで前の階段に頭をぶつけた。
隣人が無意識であると信じた男は駆け寄り、隣人の胸を二度撃った。
女性が隣人の死を知ったとき、彼女は彼に10,000ドル支払った。
検死官は、彼が隣人を撃ったとき、隣人はすでに死んでいると判断した。
以下の犯罪は重い順に並んでいる。女性が有罪判決を受ける可能性のある最も重い犯罪はどれか。
(A) 殺人 (Murder)
(B) 殺人未遂 (Attempted murder)
(C) 共謀 (Conspiracy)
(D) 教唆 (Solicitaion)
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答えは(B)で、解説も詳しく書いてあります。
このような興味深い問題ばかりではないのですが、4択だし取組み易い出題内容ではとの印象を受けました。
一方で、上述の通り、3時間で100問(1問あたり1.8分)解くのを2回行うのは、ネイティブでもかなりハードではないでしょうか。
なお、本書は章ごとに問題が続いていてその後解答が続くので、目次機能を活用するが、解答は別のタブレットやスマホで読むなどすると良いでしょう。
まだ問題を10問しか解いていませんのでw、何か気づいたことがあればまた報告します。